第四話 せまりくる恐怖。

2003.2.18

いやーみなさん。インターネットって御存知ですか?
御存知なかたは挙手おねがいします。
とか言っても無駄なことはわかっているんですが。
手をあげてくれた人もあげてくれてない人も、インターネットって
確実に理解して利用していますか?
例えば、wwwってよくみるけどわかります?
アドレスとURLの違いってわかります?
SPAMしてません?
 
個人的にはインターネットってわりとバーチャルな世界、
仮想現実な世界だと思うんですよ。
違う名前を名乗って掲示板に書き込みをしてみたり。
ネットっていわれてもイマイチぴんとこなかったり。
外国の人と連絡がとれるとはいっても、
実際に面と向かって話しをしているわけでもないし。
 
いわゆる実感がわかない世界ですよね。
今回はそんな世界の話なんですが、
具体的にいうと、
 
インターネットを利用した悪徳商法について
なんですよ。
 
いきなりヘビーな言葉を使ってしましまいたが、
実際に今、流行っているんだそうです。
 
そして僕は今、その渦中にいます。
その詳しい内容を説明するまえに、断り書きを書いておきますが、
これから述べる事業について、本当に悪徳商法だといえるのかはしりません。
法律を勉強している友人に聞いた所、悪徳商法というものは
クーリングオフなどの説明がされていないや、
契約事項が不履行であるや、
いわゆる脅迫まがいのことをされた、
といった感じのことで悪徳商法となるそうです。
僕が勧誘されたものがその悪徳商法にはいるのかどうか、
これは専門家ではないので僕にはわかりませんが、
少なくとも僕にはきな臭いものしか感じれませんでした。
悪徳書法でなくて本当にいい話だった場合、僕は数年後バカを見るでしょう。
ですが、僕は僕の判断を信じています。
 
 
始まりは友達のこんなメールからでした。
「おもしろい話がある。時間をあけてくれ。」
 
おもしろい話があると聞いたら、
「3度の飯よりもおもしろい話が好きで、
一番言われて嬉しい言葉がおもしろい」
だと自負する僕にとって、みのがせるわけがありません。
 

 
そこで話を聞く事にしたのですが、それはこういった内容の話でした。
これからインターネットで買い物をする時代が来る。
だからネットショップのようなものをひらかないか?
方法としてはネット上に仮想都市をつくって、会員=住民として
住民がその都市でネットショッピングをするという。
するとそのショッピングにはポイントがついていて、
それが還元されていくのだという。
このショッピングするためのいわば、ネット上の市場を持つことで、
自分がそこで買い物してもポイントはつくし、
買い物をされたことによっても自分にポイントがつくのだ。
しかし、そんなに市場はひろくなるのか?
儲けがでるほど市場はできるのか?
現在のネット状況は普及率が低い。
しかし、便利なネットショッピングの時代がくることはわかっている。
ところが、現在の日本ではタイプ文化ではないために
パソコンをつかってキーボードをうつという操作が足枷になって
ネットが普及しない。
そこで、ネット家電が普及していくと言う。
ネット家電とは、従来の家電にネット操作できるものが附属するといったものらしく、
このネット家電はタッチパネルであるからタイプ文化でない日本でヒットするのだそうだ。
近い未来、そんなネット環境が身近になる時代が必ずくるのだから、
ならばネット家電も流通させることでさらに自分がおこした市場は広がるという。
そこでPDAのようなタッチパネルのネット端末も友達に紹介していく。
その仮想都市で市場を持つためには最低2人の参加者が必要で、
しかし市場を開いたなら、その端末についてもポイントがつき、
それは市場をひらくために紹介した2人の端末についてもポイントがつく。
そうしてまたその2人が最低2人に市場を紹介していけば、
その市場で紹介した仲間が買い物をするだけでポイントがたまり、
そのポイントが自分に還元されてくる。
その還元の仕方もポイントが左右しており、より、多くのポイントを持つ事により
還元率があがり、また、紹介した人が増える。
つまり自分の開いた市場への参加者が増えればさらに還元率があがるという。
そうすればゆくゆくは自分が働かなくても、
自分の市場で買い物をする人からの還元率だけで収入がはいるという。
その買い物も普通に買い物をするのではなく、商品が現価でかえて、
しかもそれにもポイントが累積していくため、ただ、市場で買い物をするだけの人でも
得な事になるんだそうだ。
そうして、自分の仲間にこの儲け話しをひろめて、同じ成功者をつくれば
みんなお金はあるし、時間もできる。
そしてそれを共有する仲間がいるのだから好きな事ができる。
だから今のうちに市場を持つ側になってみないか?という勧誘でした。
これだけを読んだらもしかしたらいいことずくめだと思う人がいるかもしれません。
 
が、
 
昔からの格言で
「そうそう、うまい話はころがっていない。」
とゆーものがあります。
この話、穴がポッカリとたくさんあいています。
まず、ネットショップの利用者がそんなにふえるのか?
確かに便利だけど、そこまで普及するのかは甚だ疑問です。
ネットショッピングのトラブルは絶えないし、
原物をみて買い物をしたいという欲求は必ずあるでしょう。
そして、ネット家電は普及するのか?
ネット家電といえば、テレビがデジタル放送対応になって、
テレビから買い物ができる時代はそう遠からず来るでしょう。
しかし、誰がクーラーでネットショッピングするんでしょうか?
誰が電子レンジからショッピングをしましょうか?
そもそも、普及率をあげるとはいっているけども、
これだけ普及している携帯端末をさしおいて、
ネット家電が主流になるでしょうか?
そもそもネット家電って、外からでもネットで電子レンジをチンしたり、
クーラーを帰る前に動かしておいたりって機能をもった家電やないんすか?
そして純粋に

タッチパネルだろーが、
PDAはネット家電じゃないでしょ。
 

 
そして市場を開くとはいうが、
凡人の僕にその商品やサービスはどうやって仕入れろというのか。
話の内容では、その仮想都市の中で開いている店の代理店のような役割を、
会員がしてそこから広がる市場についてのマージンが支払われる、
といった感じではあったのだが、
突然ですが僕は数学科です。
市場の広がりぐあいを計算してみました。
その前に、それを樹形図であらわすと、
自分
/\
A B
/\ /\
C D E F
となっていくわけですが、この時点で
 
どう見てもねずみ講ですやん。
 
そしてこのピラミッドの人数は、
自分を1代目と考えると、n代目のピラミッドの人数は
莫大な数になるため、塵もつもれば的に儲けがでると、
考えそうになりますが、ところがどっこい。
n代目のピラミッドの総人数は2n-1人です。
2n-1<130000000(日本の人口)と考えると、
n=28の時点で確実に日本の人口を越えます。
つまり、自分が勧誘した28代あとには日本人全員が
その会員となっているわけです。
パンピーはもちろん、小○総理大臣も、
辻本○美さんも、刑務所にいている服役囚もです。

これが最低の2人で計算したものの、例えば最初に自分から3人に声をかけたら、
そのスピードは1、5倍で日本人を全員会員にしてしまえます。
そしてもう7回程もくり返すと世界人口に手が届きます。
 
お隣さんが会員とはしらずに必死に勧誘する自分。
服役囚を会員にするためにせっせと刑務所に通う誰か。
国会で議題になる仮想都市。
アマゾン原住民が冷蔵庫も持たずにもつネット家電による市場。
遊牧をやめてネットショップで豪遊するモンゴリアン。
貯金が趣味のダライ・ラマ。
ネットショッピングによって運動しなくなり蔓延する生活習慣病。
仮想社会での売買によって崩壊する金線感覚。
 
みんなが頑張って会員を増やすようにがんばると、
こんな素敵な未来がまっています。
 
 
しかしこれ
僕からしたらこれがまさしく疑惑の総合商社ですよ。
 
 
 
 
 
ぶっちゃけ
 
 
 
 
 
マルチ(マルチまがい)商法
じゃないっすか?
 

マルチのどの凡例を見ても、勧誘してくるのは友人だそうで、
そこが人間関係的に厄介なところらしい。
しかし、一つ覚えておいて欲しいのは、
そんな確実に設ける術があるわけがないし、
マルチはしらずに勧誘した人間も罪にとわれることがあるんだそうな。
 
<完>